COLUMN

2026.05.13

【無人ホテルの豆知識】

【無人ホテルの豆知識】無人ホテルの夜間対応はどうすればいいの?

ホテル投資・経営の心配要素のひとつに「夜間帯のオペレーション」でお悩みの方もいるかと思います。ホテル業はお客様の求めるハードルが高い上に24時間の対応が求められるため、他の業態と比べても大変と感じるケースが多いと思います。

今回は無人ホテルを運営する上で、夜間の対応はどうすればいいのか、経験をもとに話していきます!


■ 夜間はどんな業務があるの?

まずは、一般的なホテルと無人ホテルでの業務内容の違いを見てみましょう。

業態主な夜間業務特徴
一般的なホテル電話対応、駆けつけ、予約チェック、締め作業、施設見回り、清掃・在庫管理レストランやバー、スパなどの付帯設備があるため、営業終了後の全体の締め作業に時間を取られる事が多い。
無人ホテル電話対応、駆けつけ、予約チェック、施設見回り、清掃・在庫管理無人チェックインシステムを採用し、レストラン等もないため、電話対応と施設の巡回がメインになる。

表の通り、無人ホテルになると夜間の業務量はそこまで多くありません。

特に「予約チェック」や「清掃・在庫管理」は日中のスタッフに回すこともできるため、「夜間スタッフだからこそ出来る!」という限定的な業務は少ないのが特徴です。

(※規模やそのホテルによって業務は異なりますので、あくまで参考程度にお考えください)


■ どんな問い合わせが来るの?

夜間に来る問い合わせは、主に以下の2パターンに分かれます。

到着前:施設・予約に関しての問い合わせやリクエスト

こちらは緊急ではないため、夜間帯でお答え出来なくても大きな問題にはなりません。

滞在中:不備、騒音などのクレーム

緊急を要する場合が多いため、早急な対応が必要です。その中でも特に多いのが以下の3点です。

① 乾燥機が回らない

ゲストの使用頻度によってフィルターが詰まってしまうため、滞在前の対策が出来ないのが厄介な点です。また、衣類を詰めすぎていると動かなくなったり、冷却運転を故障と勘違いする方が多いです。

② お湯が出ない

ゲストがキッチンやお風呂場のノブを完全に締め切っていない場合、ガス漏れと判定されて自動停止機能が発動し、ガスの供給が遮断されます。特にBBQがある施設で建物からそのままガスを引いている場合、BBQが終わった後にガスを付けっぱなしにして遮断される事がとっても多いです。

③ 隣、上の部屋がうるさい

こちらはゲストのモラルの問題になります…。

コンドミニアムや無人ホテルの夜間問い合わせは、8割は上記3つが占めます。施設の清掃不備等ではなく、日常使いの中で不備が出てしまう部分ですので防ぎようがありません。

ですが、起こった時にゲストのストレスを少しでも減らす努力は出来ます。経験から対処法を導き出して、案内や社内にマニュアルとして落とし込む事が大切です。「仕方ない」で終わるのではなく、常に改善を重ねていきましょう!


■ どれくらい問い合わせが来るの?

夜間に来る問い合わせ数ですが、滞在客以外からの連絡を含めると多くなります。しかし、滞在客のみ(緊急)に限定すると、現状50室規模でも1週間に1件あるか無いかです。過去に200室を運営していた頃でも、1日1件あるかないかくらいでした。

ただし、それは日頃のオペレーションから改良を重ねていった結果です。初めの頃は1日5~6件来るときもありました。問題を把握できず対策を怠ってしまうと一生減る事はありませんので、以下の方法で問い合わせを減らしていきましょう。

【大前提】問い合わせ内容を記録・記憶しておく

そうすることで、アナウンスすべき事や施設の問題を正確に把握できます。

1. 到着前にアナウンスをしておく

よくあるトラブル(乾燥機やガスなど)について、事前に案内文を送っておきましょう。

2. 客室内のインフォメーションに予防策と対応策をいれておく

ゲストがトラブルに直面した際、自分で解決できるよう客室内に分かりやすい案内を設置します。

3. お電話来た際に音声ガイダンスを間に挟む

「只今の時間は、滞在中のお客様のみの問い合わせを受け付けております」といったガイダンスを流すことで、緊急性の低い電話をフィルタリングできます。


■ 夜間オペレーションの3つの選択肢

夜間の体制をどう構築するか、主な方法は以下の3つです。

① 自社で夜間スタッフを採用する

メリット: サービスクオリティの向上

デメリット: コストがかかる

自社スタッフを採用し、共に施設を作っていくパターンです。施設の詳細まで理解しているスタッフがいる事により、どんな問い合わせが来ても対応が出来ますし、常に情報を蓄積しサービスのクオリティを向上させることが出来ます。

ただし、毎日配置する場合は最低でもスタッフを2名採用する必要があるため、売上が立たない施設で配置すると採算が合いません。

② 夜間のみ電話・駆け付けを外注する

メリット: 自社に比べコストを下げる事が可能

デメリット: サービスクオリティの低下

夜間対応をコールセンターや警備会社に委託することにより、自社スタッフを採用するのに比べてコストを下げる事が可能です。

ただし、委託先もこちらの施設だけを抱えている訳ではないため、対応出来る範囲に限りがあります。お答え出来ない問い合わせがある場合は翌日対応に回す場合があるため、サービスのクオリティは自社に比べて下がってしまいます。

③ 自社スタッフで当番制にし、対応毎に手当を付ける

メリット: 圧倒的にコストを抑える事が出来る

デメリット: スタッフのストレス増

完全に発生ベースでの対応となるため、他2つより圧倒的にコストは抑える事が出来ます。ですが、スタッフのプライベート時間を奪う事になるかつ、大きなストレスを与えてしまうため注意が必要です。


■ 結果、どのスタイルがいいのか?

まず、③(自社スタッフの当番制)は絶対にやめましょう。

スタッフは何にも代える事が出来ません。ストレスを抱えて仕事をすることになれば日頃のパフォーマンスに影響が出ますし、退職することになってしまえばそのホテル自体のクオリティが下がってしまいます。

となると、①と②を使い分ける事が大事です。管理物件を見た時に採算が合うのであれば自社スタッフを採用、合わなければ外注がおすすめです。

なので、小規模からスタートしてみる方はまず外注し、施設が増えてくれば自社に切り替える方向で動きましょう。

また、自社で雇用する際のコストは単純に時間だけで見るのではなく、日中の業務量と調整して考える事も出来ます。

日中のオペレーションが回っておらず、新たにスタッフを増やすことを検討しているのであれば、日中のスタッフが抱えている業務(発注管理・予約チェック・パブリックエリアの清掃など)を夜間帯に振り、夜間でスタッフを採用しましょう。そうすれば、日中スタッフの業務軽減と夜間対応のどちらもクリアすることが可能です。全体の業務を整理しながら考えていきましょう!

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